【海外原料のむずかしさ


  納入メーカーが使用している海外原料については、
 特に食品添加物についての確認が必要です。2つの理由から、食品衛生法違反になりかねないからです。

 まず第1の理由として、現在食品添加物については世界的に二つの制度が存在することが挙げられます。
 日本国内はポジティブ・リスト方式【資料3】と言われ、使用してよい食品添加物を許可する方式です。
 一方海外にはネガティブ・リスト方式と言われ、
 使用してはいけない食品添加物を規制する方式をとる国があります。

  
資料3

ポジティブ・リストとネガティブ・リスト

  
  ポジティブ・リスト方式 :
    原則すべて(の食品添加物)が使用禁止されている中で、禁止していないものを一覧表に示し、
    使用を許可する方式

  ネガティブ・リスト方式 : 
    原則すべて(の食品添加物)が使用自由の中で、禁止しているものだけを一覧表に示し、
    使用を制限する方式

  平成15年の食品衛生改正法では、農薬、動物用医薬品、飼料添加物について
  ポジティブリスト方式が導入されました。準備を進め3年以内に基準の改正を行うこととしています
                                  

 
 第2の理由として、海外では安全性が認められ使用が許可された食品添加物であっても、
  日本国内で未申請なため使用が許可されていない食品添加物が存在しているためです。

  世界に二つの制度が存在することと、原材料納入メーカー、
  そして私たち食品メーカーの確認不足により、
  許可されていない香料を使用した商品などの一連の回収事故が発生し、  
  消費者に食品メーカーへの不信を抱かせる残念な結果となりました。

  一連の事故報道に接した際に、私は会社を離れた個人として3つのことを考えました。
  日本の食品添加物施策は、食品添加物の安易な使用を抑制する良くできた制度と考えています。
  法律違反を承知の上で香料の製造・販売を続けていた香料メーカーは、
  どのような理由であっても許されるものではありません。

  一方、海外で安全性が既に認められているが日本で許可されていない香料を、
  人体に影響のない程度微量に含んだ食品を「違反は違反だから」と
  みすみす捨ててしまうことが許されることなのか?
  廃棄された食品による環境負荷や、なによりも農家の方が苦労して作られた
  「食べ物を捨てる」と言う行為であること、
  またリスク評価と言う観点から考えても、
  科学的根拠に基づいた暫定措置などもう少し他の手段はなかったのか、考えこんでしまいました。