2:企業と消費者・コミュニケーションギャップの実態
■ 問題点1:"必要な情報"とは?共通理解がない
企業は消費者の知りたい情報やレベルをつかみ切れずに右往左往し、
消費者は自分たちの立場に立って考えられてはいない、過剰,あるいは不十分な、
企業からの情報発信に不満を持つ、といったことが多くあります。
例えば、商品の表示や取扱説明書には、びっしり注意書きが記載され、
消費者の理解度や読みやすさに配慮したものとは言い難く、
ついにその状況を逆手にとった「説明書がいらないくらいカンタン」というキャッチフレーズの携帯電話さえ
登場したほどです(*ツーカーグループ 「ツーカーS」)。
"余計な"情報は提供しないということがメリットとしてアピールされ、それが歓迎されたというエピソードに、
企業が提供する情報と、消費者が望んでいる情報のレベル・内容の違いが
如実に表れてはいませんでしょうか。
その一方で、自社にとって不利益な情報は、たとえ消費者の利益となる情報であっても
十分に情報提供されていないというアンバランスな状態が生まれています。
■ 問題点2:"適切でない"お詫び広告は「企業」「消費者」双方に利益なし
商品に不都合が発生すると、とりあえずお詫び広告をして自主回収を行うことが
たびたび見受けられるようになりました。自主回収には莫大なコストがかかり、
企業にとっては負担になりかねず、それはやがて商品価格にはねかえってくる可能性もあります。
また、広告の掲載自体はもちろん有益なのですが、"適切でない"内容のものが、
"闇雲に"掲載されたのでは、消費者にとって重要な危害情報を見過ごしてしまう危険性もあります。
■ 問題点3:過剰・無関心な消費者行動が、さらにギャップを拡大
消費者は不祥事が起こると強い関心を示して一斉に不買行動などの企業批判をするものの、
その後の事実関係の把握や企業の努力には無関心という傾向が強いのも事実です。
消費者が公正な目を持たないと、企業は不祥事が表沙汰になることを恐れて自己防衛に走り、
情報公開を控えるという悪循環を引き起こしかねず、それは消費者にとって
必要な情報が得られなくなることにも繋がります。
また、当然と思われることを"注意書きがない"などと指摘して、必要以上の苦情・要求をする
消費者によって、企業の消費者対応窓口が対応に翻弄され、機能が麻痺することもありえます。
企業が過剰なまでの注意喚起の表示を行うのは、当然このような実態が背景にあるのです。
企業と消費者のコミュニケーションギャップには、
必要な情報を自ら取捨選択しない消費者行動にも大きな要因があることは否めません。


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